「学生気分が抜けていない」
大学を卒業して、社会人になってしばらくした部下や後輩に対して、よく発せられる言葉です。
この表現、”気分”という単語が誤解を招いているのでは、と思い、あまり好きではありません。
”気分”なんて軽い話じゃなくて、学生と社会人は、(当たり前ですが)根本的に違います。
- 学生:親がお金(授業料)を払って、対価として、私がサービス(教育)を受ける。
- 社会人:私が仕事をして、対価として、私がお金(給与)を受け取る。
このように書くと、そうだよね、となります。
が、新しく社会人になった方が気付かない一番のポイントは、社会人は平等じゃない、ということです。
学生は、お金をサービスを受ける側、すなわち”お客さん”なので、同じお金を払っている以上、サービスを平等に受ける権利を有している、と考えられます。
学校側からすると、頭のいい子も、スポーツができる子も、読書が好きな子も、何となく学校に来ているだけの子も、皆に対して平等なサービスを提供する必要があります。(じゃないと、文句を言われてしまう)
だって、授業料は皆同じだから。
ところが、社会人は、違います。何が違うかと言うと、それぞれの仕事の成果が違う。仕事の成果が異なる以上、その対価である給与が異なるのも必然。むしろ、仕事の成果が異なるにも関わらず、給与が平等である方が不自然。
いずれにせよ、みんな横並びの平等社会からは、皆さんいつの間にか卒業しています。ちなみに、平等じゃない=成果の差が、得るもの(給与等)に影響する、から、競争が始まります。
何しても平等なら、わざわざ競争しないですよね。(根っからの競争好きの人もいるとは思いますが)
皆さんの好き嫌いに関わらず、既に、学生=平等社会からは卒業しています。その前提を受け入れたうえで、前向きに競争に参加するも良し、ライフワークバランスというほどほどの道を模索するも良し、この辺りは皆さんの選択です。
「私、残業したくないんですが、良いですか?」
こういう質問と言うか、宣言をする新入社員の方、一定数います。答えは、
「もちろんOKですよ。皆さんの考え方まで、どうこう言うことはありません。」
ただし、、、
「あなたがしたくない、といっている残業をして、あなたよりも成果を出している人がいるとします。その人よりも、給与やポジションが低くなることは受け入れてくださいね。後から、『〇〇さんより評価が低いのが納得できない』とか言うのは無しだよ。それが、あなたの選んだ道だから。」
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